逆質問の時間はチャンスタイム!
いきなりだけど、ごめん!トップ画像を少々遊び過ぎたかもしれない(汗)。真面目な「面接における逆質問の答え方」を紹介するよ。
遊んでばかりはいけないニャ。もこはこれからお仕事で日向ぼっこしてくるニャ。
面接が怖くなくなるだと!?これは、面接官への挑戦状だな。もっと面接を厳しくバシバシやっていくか。
逆質問とは、面接の終盤に面接官から「何か質問がありますか?」と聞かれた際に、候補者が行う質問のこと。逆質問は時間にすると短くて5分、長くて15分、平均して10分程度の質疑の時間になると思う。
面接の過半が面接官のターンとするなら、逆質問はこちらのターンでもある。そして、自分が働くのだから、質問は遠慮してはならない。
しかしながら、これまで長らく転職エージェントをしてきたが、中途採用の面接における「逆質問」で困る人はとても多い。面接官からの質問にうまく回答することも大事だが、逆質問がうまくできるかも同様に重要である。
まずは、逆質問がなぜ大事なのか、ポイント3点を確認しよう。
仕事内容の理解を深められる
逆質問の時間は求人票や面接のやり取りで聞ききれなかった仕事内容、職務のミッションなどを確認できる少ないチャンス。
あまり細かな作業レベルを聞くと逆効果だが、どのようなサービスに携わり、どのような組織でどのような役割を任せられそうなのか、具体的な解像度で理解を進めよう。
面接官へ意欲をアピールできる
自分の興味や熱意をアピールできるチャンス。志望度が高い候補者は往々にして熱心に質問をする。そのため、逆質問ができなかったり、当たり障りのない質問だったりすると、志望意欲が低いと思われてしまう。
逆質問の時間を使って、何かアピールしようというわけではない。熱い質問をすることで、志望度が高いという間接的なアピールを狙っていこう。
相互で相性の確認ができる
自分と企業との相性を確認するチャンス。社風や文化など、HPや求人票など、活字では分からない情報を確かめよう。
新卒時の就職活動とは違う。中途採用において、候補者は選ばれる立場でもあるが選べる立場でもある。新卒時と異なり、こちらには職務経験とスキルがあるのだ。
企業が採用する人を選ぶように、こちらも企業との相性を確認して選ぶべきなのだ。
逆質問が思い浮かばない時の切り口5点
前述の通り、長らく転職エージェントをしてきた中で、中途採用面接の「逆質問」で困る人を多く見てきた。かくいう転職ギルドマスターも、人材紹介会社に勤めるまでは逆質問は何を聞いていいか分からなかった。
もし、志望度が高い企業にも関わらず、逆質問が思い浮かばない場合は、下記のやり方で考えてみてほしい。
1.求人票を読み込む
求人票は隅から隅まで「ゆっくり」と確認しよう。求人票の仕事内容を読み込むことが基本中の基本。しかしながら、きちんと読み込んでいない人が相当数いるのが現実だ。
仕事内容は、どういうサービスでどういう役割を担うのか。どういう組織構成なのか。(時には)KGIやKPIを想像しながら、仕事内容をできるだけ具体的にイメージしよう。
もし、求人票に仕事で従事するサービスや役割、組織構成などの情報が載っていない場合はそれこそ逆質問で聞こう。自分が働くシーンが想像できるまで情報を集めよう。
2.会社のHPや採用ページを見る
下記3点は必ずチェックしよう。特に自分が受けようとしている事業部やメインのサービスページは見逃さないように。
◆会社の公式HP
会社の公式HPは企業のミッションやビジョン、経営者や役員情報から事業全体の情報が載っている。上場企業の場合はIR情報をチェックしよう。決算短信と決算説明会資料の2点を読んでおくと良いだろう。
決算とか普段全く目にしない人もいるだろう。大まかでも良い、特に決算説明会資料は見よう。詳細は別ページで解説していくが、売上がどれくらいあるのか?黒字なのか赤字なのか?事業計画はどうなっている?などなど、会社を俯瞰するための情報の宝庫なのだ。
もしも選考を受ける企業が非上場で売上等の情報を調べたい場合はどうしたらいいだろう。その場合は、「企業名+決算公告」でGoogle検索してみよう。稀に決算情報を確認できるぞ。
◆サービスサイト
多くの企業は公式HP以外にサービスサイトを持っているだろう。例えば、名刺管理システムで有名なSansanは「Sansan株式会社」の公式HPと「Sansan - 営業DXサービス」というサービスページがある。
その会社が提供しているサービス内容はしっかりとチェックしよう。どういうサービス特性があるのか、どういう機能があるのか、どれくらい導入され利用されているのか、など。
サービス特性や機能などを見て、どういう顧客を対象としているかなどを見ていけば、自分のスキルや経験から活かせる領域など見えてくるはずだ。そこから逆質問へ繋げていこう。
◆採用ぺージ
選考を受ける会社の採用ページは当然チェックだ。その他、採用に特化したGreenやWantedlyなどのページがあればできるだけ見ておこう。
どういう人に来てほしいか求める人物像や、働いている社員の紹介など様々な情報が見つかるはずだ。
その際、自分の職種以外にも、どういった職種で求人が掲載されているのか確認するとさらに良いだろう。なんとなくであっても、その会社がどのような職種の人が仕事をしているのか想像が進むだろう。
3.業界情報をチェックする
応募する業界の最新動向やトレンドを理解しておくと、より具体的な質問が可能となる。選考を受ける会社の競合企業や競合サービスについて、具体的に挙げることができれば100点だ。
例えば、リーガルテックと呼ばれる業界の会社を受けるとしよう。そして試しに、「リーガルテック おすすめ」と検索してみよう。そうすると、おすすめ7選とか、おすすめ24選とかすごいたくさんの競合サービスが出てきた。競合企業やサービスは簡単に見つけられる。
あるいは、「カオスマップ」を見るのも良いだろう。カオスマップとはビジュアルでわかりやすく表現された業界地図。その業界やサービスの大手や影響力のある会社をさっと確認できる。
もちろん、すべての競合サービスに目を通す必要はもちろんない。というか時間がいくらあっても足りない。しかし、せめてその業界のトップ企業の名前くらいは抑えておくと良いだろう。
面接官は候補者が競合企業のことを調べてきてくれた場合は、やはり嬉しい反応をすることだろう。
4.スキルや経験と結びつけて考える
自分のキャリアゴールやスキルセットを再確認し、それに基づいた質問を考えよう。例えば、自分のスキルがどのように企業で活かせるかを考慮した質問を用意する。
学んでいる技術や知識があれば、それについて選考を受ける企業で伸ばせて行けそうか。今がメンバーとして働いているのであれば、マネジメントにつけるチャンスがあるかどうかを聞いてみるのも良いだろう。
5.転職軸と結び付けて考える
何気にここが一番大事かもしれない。転職軸や転職の動機を結びつけて逆質問を考えよう。下記に例示するので、自身に置き換えるとどのような逆質問ができるのか考えてみてほしい。
例1:古い営業体質に不安を感じている営業マン
転職理由 | 毎朝08:30からの朝礼で社訓の発声、古い顧客へのルート営業が中心の現職に嫌気がさしている。この先の営業マンとしての価値に不安を感じている。 |
転職軸 | THE MODEL(ザ・モデル)のように、科学しながら成果を追い求めている会社で営業としてのキャリアを積んでいきたい。 |
質問内容 | どういう営業体制なのか。リード獲得の方法や組織分け、どのようなKPIを追い、どのような評価体制になっているのか、などなど。 |
例2:評価制度に不安を持っているエンジニア
転職理由 | 自己研鑽も積極的に積み、技術力には一定の自信もある。しかし、現職ではエンジニアの評価が全体的に低い気がしており、評価に納得がいっていない。 |
転職軸 | エンジニアファーストとまではいかなくとも、自身の評価が客観視できる会社に転職したい。あわよくば、年収を上げたい。 |
質問内容 | 評価体制がどうなっているのか、どういう基準になっているのか。エンジニアなどの技術職で管理職はどれくらいいるか、など。 |
例3:マーケターになりたい広告運用担当
転職理由 | 100名程度の広告代理店でWeb広告の経験を3年積んでいる。しかし、日々広告の運用ばかりで事業会社でマーケティングの経験を積みたいと思っている。 |
転職軸 | これまでの広告運用経験を生かして、事業会社で自社サービスのマーケティングに携わること。 |
質問内容 | ※事業会社を受けている前提 その会社の広告運用の体制。内製で回しているのか、代理店を使っているのか。広告のように獲得だけでなく、CRMなどの育成まで携わるチャンスはるか。 |
転職軸と合致した質問をすると何よりも自分のためになる。転職理由を解消するための質問だからだ。そして、面接官も筋の通った質問をされると納得感が増すことだろう。
面接で使える逆質問の例_50選
ここでは、具体的な逆質問の例をいくつか紹介しよう。上で記載した、「逆質問が思い浮かばない時の切り口5点」を見て、自分なりの逆質問を考えるのがベストだ。ただ、なかなか思い浮かばない人は下記をヒントにして考えていってほしい。
ただし、聞くタイミングや聞き方を誤ると「質問レベルが浅い」と思われてしまう例もあるだろう。
そのため、安直に逆質問として採用するのではなく、自分の中で逆質問を考える上での参考として見てくれたらと思う。自分の価値観の中で重要なものをチョイスして貰えればと思う。
おい、この画像、ギルドマスターは全然懲りてないじゃないか。字も間違えてるし大丈夫なのか!?
大事なおやつのことは、逆質問で聞いても良いのかニャ?トイレの掃除も頼むニャ。
好印象を与える逆質問の例
1.会社の文化に関する質問
「御社が大事にしている企業文化について教えていただけますか?」
「チームの雰囲気はどのような感じでしょうか?」
「社員同士のコミュニケーション方法や頻度について教えてください。」
「会社として、従業員の意見をどのように取り入れていますか?」
「飲み会などの頻度を教えて下さい」
2.キャリアパスに関する質問
「このポジションからのキャリアパスについて教えてください。」
「御社では、昇進やキャリアアップのための支援はどのように行われていますか?」
「過去にこのポジションを経て成功した社員の例を教えていただけますか?」
「定期的な評価やフィードバックの制度について教えてください。」
3.仕事内容に関する質問
「このポジションの主な業務内容を詳しく教えてください。」
「現在のチームが直面している最も大きな課題は何ですか?」
「具体的なプロジェクトやタスクの例を教えていただけますか?」
「成功するために必要なスキルや特性は何でしょうか?」
「事業部のMTGはどういう形式で行われますか?」
「他部署や他の職種の人たちとMTGすることはありますか?」
「社内でどのレベルまでの情報を見ることができますか?」
4.会社のビジョンや戦略に関する質問
「御社/事業部の短期および長期の目標は何ですか?」
「競合他社と比較して、特に御社が力を入れている領域はどこですか?」
「業界のトレンドに対する御社の戦略はどのようなものですか?」
「新しい製品やサービスの開発計画について教えていただけますか?」
5.ワークライフバランスに関する質問
「御社ではワークライフバランスをどのようにサポートしていますか?」
「リモートワークやフレックスタイムはどの程度使われていますか?」
「従業員がストレスを感じた場合のサポート体制について教えてください。」
「平均的な残業時間や働き方について教えていただけますか?」
6.社内教育・研修に関する質問
「新入社員向けの研修プログラムはや期間はどのような内容ですか?」
「定期的なスキルアップのためのトレーニングや研修はありますか?」
「従業員のスキル向上のために会社としてどのようなサポートを提供していますか?」
「業務に関連する資格取得のサポート体制について教えてください。」
7.評価制度 / 職場環境に関する質問
「評価制度に関して良ければ概要を教えてください。」
「私の職種の場合、どういう実績を出せば評価は上がりますでしょうか」
「評価面談などはどういう形式で行われていますか?」
「職場の人たちの普段の服装を教えてください。」
「社内コミュニケーションはチャット、メール、電話、いずれが多いでしょうか」
「社員の方は昼食をいつ頃取っていますか?時間帯は決まっていますでしょうか」
悪印象を与える逆質問のNG例
聞きたい事を質問できて、アピールできる逆質問だけど、マイナス印象を与えてしまうという質問がいくつかある。マイナス印象を与えてしまう逆質問はいくつかのパターンに分けられる。どのようなパターンか想像がつくだろうか。
パターンはすぐわからないけど、残業時間とか福利厚生ばかり質問をされると、「この人は福利厚生でしかうちを見てくれてないのかな?」って思っちゃうわ。
せっかく逆質問をするなら、ガンガン仕事のこととか聞いてほしいよな。目の輝きがそういう候補者は違うからな。
1.調べれば簡単にわかる逆質問
面接を受ける企業のことを調べずにいくのは絶対やめよう! ホームページや求人情報を見れば分かるようなことを逆質問するのは、「何の準備もしていません、御社に関心がありません」と言っているようなもの。
<NGな質問例>
・御社の企業理念を教えてください?
・どのようなサービスや商品を取り扱っていますか?
・主要取引先はどのような企業がありますか?
・御社の売上高はどれくらいですか?
・御社の強みは何ですか?
2.自己成長を企業へ依存してしまう逆質問
厳しい言い方になるが、会社は勉強をする場ではない。研修内容を過度に期待したり、自身の業務経験が浅いこと前提とした質問もできるだけ避けた方がいいだろう。中途採用では、基本的には即戦力で会社にいかに貢献できるかを求められる。
<NGな質問例>
・入社したらどのような研修が受けられますか?
・勉強できる環境はありますか?
・能力を伸ばしてくれる環境でしょうか?
・未経験でも活躍できますか?
・異業種(異職種)からの転職でも大丈夫ですか?
・入社してから覚えれば大丈夫でしょうか?
3.仕事への興味が感じられない逆質問
福利厚生や就業環境中心の逆質問になっていないだろうか。知り合いの人事や面接官に聞いても、福利厚生や就業環境「中心」の質問はあまり印象が良くない。聞くとしても、内定を貰ってからオファー面談の場で聞くのが良いだろう。
<NGな質問例>
・有給休暇はいつからとれますか?
・有休消化率はどれくらいですか?
・残業はあまりしたくないのですが大丈夫ですか?
・福利厚生にはどのようなものがありますか?
・年間休日は何日ありますか?
逆質問をする際のチェックリスト
ここまで、逆質問の重要さや自分に合った質問の作り方などを見てきた。どうだろう、作れそうかな?
あとは、逆質問をする際は、空気を読んで適切なタイミングで、相手に合わせて、TPOを意識して行おう。例えば、福利厚生やワークライフバランスの質問を代表取締役にしても仕方がない。相手に合わせた質問が必要だ。
下記チェックリストを見て、積極的な逆質問になっているか最後の確認おこなおう。
- ポジティブな言い回しに変換する
質問の際には、ポジティブな言い回しを心がけよう。もし、求められる経験に対して不足していると感じていたとしても、「○○に対して経験が不足しているのですが、入社までに少しでも学習を進めておきたいと思っています。どのような点を学んでおけばいいでしょうか?」などと、率先してリカバリー策を伺うなどしてみよう。 - ギブアンドテイクを意識する
受け身の姿勢で、“自分に利を得るTake(テイク)”に関することばかり聞いてしまうのはNG。自身の経験やスキルを活かした、ギブの姿勢も示そう。 - 自分の経験やスキルに関連付ける
質問を通じて、自分の経験やスキルをアピールすることも重要。例えば、「前職では○○のプロジェクトを担当していましたが、御社ではどのようなプロジェクトに関わる機会がありますか?」といった質問をする。 - 面接官の回答に対してさらに深掘りする
面接官の回答に対して、さらに具体的な質問を重ねることで、より深い理解を得ることができる。例えば、「そのプロジェクトは、具体的にどのような課題がありますか?」といった形で深掘りする。 - タイミングを見極める
逆質問を行うタイミングは、面接官から「何か質問がありますか?」と聞かれたときに行う。その際、慌てずに準備した質問を順に行う。 - 相手(面接官)に合った質問をする
代表や役員であれば会社の方針やどういう会社にしようとしているのかなど、聞いてみる。相手が現場の方であれば、できるだけ仕事内容をメインに聞いてみる。人事であれば社風などを聞いてみる。 - 質問の数は適切に
質問の数は、多すぎず少なすぎず、2~3問が適切。あまりに多くの質問をすると、面接官の時間を奪ってしまうことになるため注意が必要。
【一目置かれる】中途採用面接で聞かれる逆質問の作り方と回答例の内容は以上となる。
面接の途中までなかなか手ごたえがなくとも、逆質問で印象が一気に変わることもあるだろう。「終わり良ければ総て良し」という諺もあるように、良い逆質問ができれば、きっと選考結果もいい方向に繋がるだろう。
自分のために、本当に自分に役立つ情報を得るための逆質問を考えてほしい。