メガベンチャーは、安定性と成長性を兼ね備えた企業であり、多くの転職希望者にとって憧れの的である。
しかし、その競争は激しく、転職を成功させるためには、他の候補者との差別化が必要である。本記事では、メガベンチャーへの転職を目指す人に向けて、1%でも内定の確率を高めるための具体的な9つの方法を解説する。
メガベンチャーってなんニャ?カラフルなネコさんがたくさんいるニャ。
メガベンチャーは可能性あふれる企業のことよ。カラフルなのは、可能性を色で表そうとしたみたいよ。
そう、メガベンチャーは安定性もありつつ成長性も残した、キャリアを伸ばすには最高の場所なのだ。
その可能性に満ち溢れたメガベンチャーへ転職するためのノウハウをこれから解説していく。本気でメガベンチャーへ転職を考えている人は、ぜひ参考としてくれれば幸いだ。
メガベンチャーはなぜ人気なのか
メガベンチャーと言われて、どのような企業を思い浮かぶだろうか。
サイバーエージェント、メルカリ、DMM.com、LINEヤフー、エムスリー、GMOインターネットなどいろいろな会社の名前が挙がるだろう。メガベンチャーに明確な定義はないが、従業員数500人以上、時価総額500億円以上を満たす企業はメガベンチャーと呼ばれることが多い。
なぜ、これらの企業は人気なのだろうか。
1.安定を享受しながら成長できるから
メガベンチャーは、急成長を遂げたスタートアップが一定の市場シェアを獲得し、安定した収益基盤を築いている企業を指す。
規模を確立しつつ成長性も残しているため、従業員は安定した職場環境を享受しつつ、実力次第でキャリアを大きく成長させるチャンスが広がる。業務範囲が広く、裁量も大きいことから、意欲的な人にとっては非常に魅力的な環境である。
よくメガベンチャー出身者と話していると、「1年で2,3年分の経験ができる」というような話を聞くことがある。それくらいさまざまな経験ができ、成長できるのだろう。スタートアップほどにリスクは取りたくないが、安定の中で高い成長をしたいという人にはメガベンチャーは打ってつけだ。
2.キャリアに箔がつくから
メガベンチャーでのキャリアは、転職市場で高く評価される。急成長企業での実務経験やプロジェクトマネジメント、データ分析のスキルは、次のキャリアステップでも有利に働く。
実際、メガベンチャー出身者は次の転職で困ることはあまりない。〇〇さんは△△企業出身だから経験が豊富、といった感じで意味でレッテルを貼って貰える。独立した際にも、仕事を受注する際にメガベンチャー出身という看板は役に立つだろう。
3.優秀な人材たちと切磋琢磨できるから
メガベンチャーで働いている人たちは総じてレベルが高いというのも魅力のひとつだろう。新卒社員は新卒採用で高い競争率を勝ち抜いてきた人材だし、中途社員はどこかしらで高い実績を収めてきた人材たちだ。
メガベンチャーで働いている人たちは、いわゆる「意識が高い系」の人たちが多い。エンジニアであればフルスタックだったり、営業職であれば営業なのに自分でマクロを組んで業務効率化ができたりと、優秀な人材の例を挙げ始めるとキリがない。
「人が環境をつくり、環境が人をつくる」、という循環がメガベンチャーにはある。そういう環境で切磋琢磨出来たら、どれだけ幸せなことだろう。
4.若いうちからチャンスが豊富にあるから
メガベンチャーは、既に大企業並みの規模を誇る会社が多いが、それでも高い成長を続けている企業が多いためチャンスが多い。昇進チャンスもあるし、いろいろな仕事にチャレンジしたり、異動したりするチャンスもある。
サイバーエージェントやエムスリーは時価総額が数千億になった今でも、いまだに年率何十パーセントという高い成長率を誇る。次々に子会社を作り、社長を輩出するし、M&Aで会社を買ってきて子会社化もする。新しいポストを次々に創り出す。
あたかも戦国時代の大名のように、会社が成長すれば優秀な社員を登用しポストを与える。年功序列型ではなく、20代でも子会社の社長を任されるような人もいる。メガベンチャーには、若いうちから実力次第で一気に昇進できるという魅力がある。
5.給与が高く福利厚生が良いから
メガベンチャーは、多くの場合、スタートアップ企業の文化を保持しながらも、大企業並みの給与と福利厚生を提供している。
これにより、経済的な安定と、豊かなワークライフバランスを両立できる点が、転職希望者にとって大きな魅力である。さらに、ストックオプションなどのインセンティブも期待できるため、長期的なリターンも見込める。
たとえば、サイバーエージェントのビジネスサイドの初任給は42万円/月(年俸制504万円)となっている。残業代込みなので一部批判もあるようだが、それでも初年度年収で500万円を超えるのは魅力だろう。
メガベンチャーへの転職難易度が高い「本当」の理由
次に、メガベンチャーへの転職難易度が高い理由を見ていこう。
人気が高く競争倍率が高いというのは察しがつくと思うが、もう少し実態を捉えながら見ていこう。
即戦力&同等のスキルが求められるから
メガベンチャーは、スピーディな成長を続けるために、即戦力となる人材を強く求めている。即戦力というのは、入社早々に求める期待値を超える成果を求められる。そのため、同業種、同職種で同じレベル感の仕事をしていた人たちを採用するのが基本となる。
この同業種、同職種で同じレベル感の仕事というのが転職難易度を一気に引き上げる。基本的に、競合企業に所属していた人でなければ内定は出づらいのだ。
例えば、リクルートのイメージをしてみよう。代表的なサービスで結婚情報のゼクシィや旅行のじゃらん、人材のリクナビなどがある。これらのサービスはとにかく大きい。ゼクシィやじゃらん、リクナビと多少なり肩を並べるような仕事をしていた人でなければ、根本的な仕事のやり方が合わない。
実際、リクルートの人は楽天に行き、楽天の次はAmazonに転職するような似たような規模の会社で転職をする人たちは多い。求職者目線で見ても、同じ企業規模の会社への転職でなければ、年収も合わないし、仕事の粒度が合わず力を発揮しづらいのだ。
成果に再現性を求めるから
メガベンチャーへの転職難易度が高い次の理由として、「成果に再現性を求める」というのが挙げられる。
メガベンチャーはスタートアップと呼ばれる時代から、ビジネスの世界で勝ち上がってきた企業だ。そのため、勝ち上がるためにさまざまな工夫をしてきた。たまたま1回だけうまくいったのではなく、何度も何度もトライアンドエラーをし、メガベンチャーへとのし上がってきた。
そういう背景もあり、選考時に実績や従事してきた業務内容を並べるだけでは、メガベンチャーでの採用では落ちてしまう。実績や業務内容を並べただけでは、候補者の真の実力が読み取れないからだ。
一歩踏み込んだアピールが必要で、転職して職場が変わっても成果を出しうる「再現性」や「課題解決力」などをアピールする必要がある。そのためには、これまで自分がどのような課題(ミッション)があり、どういうボトルネックがあり、どのように解決してきたのかを語れるように準備しなければならない。
レイトマジョリティのタイミングだから
マーケティングで使われるイノベーター理論を知っているだろうか。新たな製品(商品・サービス)などの市場における普及率を示すマーケティング理論のことだ。イノベーター理論では、新しい製品を購入する層を5段階に分けて下記のように区分している。
・イノベーター(革新者)
・アーリーアダプター(初期採用者)
・アーリーマジョリティ(前期追随者)
・レイトマジョリティ(後期追随者)
・ラガード(遅滞者)
イノベーター理論を知らない人向けに、iPhoneを使って例を話してみよう。
apple創業者のスティーブ・ジョブズが初代iPhoneを発表した際に、真っ先に飛びついたのがイノベーター(革新者)にあたる。そして、2代目iPhoneを買ったのがアーリーアダプター(初期採用者)で、iPhoneが世の中に浸透してから購入した層がマジョリティ(追随者)になる。
このイノベーター理論にこじつけて、メガベンチャーの段階で転職しようとする人たちは、マジョリティ(追随者)の層になると考えている。
マジョリティの層になってしまうと、企業は既に安定し世の中で浸透している段階なので、入社希望者も多い。そうなると、他の入社希望者よりも高い評価を得て目立つか、競争を避けるほかないのだ。
1%でも内定確率を上げる具体的な8つの方法
メガベンチャーは人気なので、そもそも入社難易度が高いのはわかっている。
入社が難しい理由を延々と並べたところで意味がない。それを踏まえて、どうすれば選考が通過し内定を獲得できるのか、1%でも可能性を高めるための具体的な方法を見ていこう。
王道ではない方法もあるかもしれないが、「1%」でも内定確率を上げるために色々な方法を洗い出してみたので、そこは目をつむってほしい。
1.職務経歴書を作りこむ
職務経歴書は、職務内容やスキルを羅列するだけで足りない。具体的な成果や解決した課題、そしてその方法を明確に記載することが求められる。
企業は、応募者が過去にどのような成果を挙げたか、そしてそれが新しい環境でも再現できるかを重視している。再現性をアピールするためには、実績を数値で示し、「どのような困難をどのように克服したのか」を具体的に記載することが効果的である。
例えば、職務内容に関しては、「主なミッション」、「主な職務内容」、「実績」、「工夫したポイント」といった感じで4段構成で書いてみると良いだろう。このように4段構成とすることで、その人の課題解決力を見て取ることができるからだ。
2.自己応募をして書類選考通過率を高める
もし、転職エージェントを利用していて、書類選考がなかなか通過しないケースに該当する人は、奥の手として「自己応募」をおすすめする。
平たく言うと、転職エージェントを利用しないという選択肢だ。企業の視点から見た場合、転職エージェントを通して人を採用する場合は、転職エージェントに対価を払わないといけないので(それなりに高い)採用コストが発生する。候補者が直接応募してくれるより高くついてしまうのだ。
実際、エージェント経由だと書類選考は落ちるが、ビズリーチなどを通して落ちた企業からスカウトを貰ったという話は頻繁に聞く。現実的に、直接応募とエージェント経由では書類選考のハードルは異なる。また、自己応募では、直接企業に対して強い意欲を示すことができるため、企業側に自ら志望度をアピールする機会もあるだろう。
再度伝えておくが、自己応募は書類選考が通過しないなと思った際の奥の手として認識してほしい。書類選考が問題なく通過する人は、転職エージェントからいろいろアドバイスを貰うのもいいだろう。
3.選考時に「安定」を求めない
メガベンチャーは、ベンチャー企業としての精神を維持しつつも、安定した基盤を持っている。
しかし、選考時に「安定」というキーワードはNGだ。メガベンチャーの経営者や幹部は往々にして「うちは永遠のベンチャーだ!」と豪語しているケースが多い。むしろ、経営陣は大企業化して成長が鈍化することを極端に恐れている。
そういう中で安定というキーワードを前面に押し出すと、チャレンジ精神が欠けていると見なされる可能性がある。心の中ではもちろん安定を求めて良い。ただ、面接では、企業の成長に貢献したいという意欲を前面に出し、安定はあくまで結果として享受する姿勢でいるのがいいだろう。
そもそもで、メガベンチャーを選択した時点である程度安定は保証されている。
4.自分の転職軸に叶った志望理由を作る
転職活動において、転職軸に叶った志望動機を考えることは非常に重要である。
転職軸とは、転職する際に「大事にしたいこと」や「重視したいこと」、「譲れないこと」だ。企業側は、応募者の転職軸がしっかりしているかどうかを重視する。その候補者がなぜ転職したいのか、何を成し遂げたいのか、それに基づいた志望理由なのか確認してくる。
少し具体例を見てみよう。例えば、下記のような前提の場合、転職軸や志望動機はどうあるべきだろうか。
この場合の転職軸は、「新規事業などに積極的でチャレンジを是としているような職場環境を探すこと」だろう。そうなると、志望理由は「チャレンジに積極的な社風 / 風土があるから受けました」といったような内容となるはずだ。
オリジナルの特別な志望理由を作る必要はない。自分の転職理由から生ずる「譲れないこと」と向き合い、選考を受ける会社だとそれが満たされるのか考えていこう。
5.面接時に志望度を明確に言い切る
面接では、志望度の高さを明確に伝えることが重要である。志望していることを明確に主張することで、企業側に対して熱意と真剣さをアピールできる。逆に、ツンデレ的な態度や曖昧な表現は、企業側に不安を与え、選考に悪影響を及ぼす可能性がある。
面接をしたことがある人であれば分かると思うが、面接の中で志望度を感じられない人ほどテンションが上がらない面接もない。
緊張でうまくカチコチになってしまう人もいるだろう、普段から不愛想な表情がデフォルトもいるだろう(筆者がそう。。)。それでも、志望度を伝える機会があればはっきりと志望度を口にしよう。仮に面接官が合否で迷った時であっても、志望度が高いと分かっていれば次の選考ステップに回す理由となる。
他社選考が同時で進んでいる場合は、他社選考があることは伝えてOKだ。複数選考がある中で、志望度がある旨をしっかりと伝えられればそれで大丈夫だ。
6.求人票から仕事内容や組織構成を掴む
求人票は隅から隅まで「ゆっくり」と確認しよう。求人票の仕事内容を読み込むことが基本中の基本。しかしながら、きちんと読み込んでいない人が相当数いるのが現実だ。
仕事内容は、どういうサービスでどういう役割を担うのか。どういう組織構成なのか。どのような開発体制なのか、どのようなKGIやKPIを追っているのか、チームの平均年齢は何歳くらいなのか、仕事内容や組織構成をできるだけ具体的にイメージしよう。
イメージが具体的になればなるほど、アピールポイントが見えてくるはずだ。あなたがそこにパズルのピースのようにハマるイメージが湧いてくるはずだ。
求人票に仕事で従事するサービスや役割、組織構成などの情報が載っていない場合はそれこそ逆質問で聞こう。自分が働くシーンが想像できるまで情報を集めよう。
7.BtoBにも目を向け選択肢を増やす
転職活動では、BtoC企業だけでなくBtoB企業にも目を向けることが成功の鍵である。BtoBのメガベンチャーだと何社思い浮かぶだろうか。
BtoB企業は知名度が低いこともあるが、成長ポテンシャルが高い企業も多く存在する。応募先を広げることで、選考における競争率を下げ、転職成功の確率を高めることができる。
例えば、BtoBのおすすめ企業は、アスクル、カウネット、ビューティガレージ、ミスミ、モノタロウ、アズワンなどがある。これら企業は、「BtoB-ECサイト」というキーワードで調べてきた。
アスクルはソフトバンクグループのオフィス通販大手、カウネットは文房具のコクヨの100%子会社、ビューティーガレージは美容業界向けECのBtoB大手、どこの会社も魅力いっぱいなのだ。
ECはあくまで一つの切り口だが、そのほかにも物流、医療、Saas、研修など様々な切り口がある。実力は高いのに、知名度があまり高くないメガベンチャーはきっとある。ぜひ探してみてほしい。
8.次世代のメガベンチャーを探して受ける
メガベンチャーに入る方法として、未来のメガベンチャーを見越して入社するという考えはどうだろうか。
今のメガベンチャーの企業に入らなくても、2,3年後にメガベンチャーになると自分で信じる会社に入るのも良いのではないだろうか。スタートアップ時代に入社した方が採用ハードルも低いだろうし、入社後に会社が成長すれば大きなリターンもあるだろう。
もちろん、立ち上げ当初のスタートアップを狙うわけではない。ネクストユニコーンのように将来を嘱望された企業や、上場直前の大規模資本調達をした企業、あるいはここ数年で上場した企業を狙うのだ。
→NEXTユニコーン選定企業
→資金調達企業ランキング
→2022年新規上場会社
→2023年新規上場会社
→2024年新規上場会社
この会社は化ける!という会社を探して受けてみるときっと転職活動も楽しくなるだろう。今現在のメガベンチャーと並行して、将来のメガベンチャーを受けてみてはどうだろうか。
経験が足らない時は回り道も
以上で、「メガベンチャーへの転職。1%でも内定確率を高める8つの方法。」の解説は終わりとなる。
メガベンチャーへの転職は難易度が高い。規模感、領域、スキル、実績と求めている経験が総じて高い。なかなか思い通りに進まないこともあるだろう。
選考中にどうしても経験不足を感じる場合は、ステップアップのために別の企業で経験を積むのもいいだろう。焦ってメガベンチャーに挑むよりも、まずは中堅企業やスタートアップで経験を積み、その後メガベンチャーに転職することで、確実にキャリアを築くことができる。
あるいは、現職で経験を積み重ねるのもよいだろう。例えば、マネジメント経験を積む、あるいは、仕事の横幅を伸ばす、働きながら何か資格を取る、などだ。
冷静に選考の手ごたえを見極めながら、自分のキャリアを切り開いていこう。