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【IPO企業×先回り転職情報】おうち麺で有名なシマダヤ

【IPO企業×先回り転職情報】おうち麺で有名なシマダヤ

当コンテンツの骨子

#転職やキャリア向け情報
#安定基盤を求めつつ成長もしたい人向け
#IPO予定企業の情報を解説

当記事では、IPO(上場)を予定している企業の魅力をリサーチし、転職やキャリアに役立ててもらうための情報を発信します。

企業にとって上場はゴールではなく通過点です。この先、更に成長して有名な企業へ変貌するかもしれません。そんな金の卵をちょっとでも早くに知ってもらうために企業を調査し、解説していきます。

なぜ、IPO(上場)企業を取り上げるの?

シマダヤ株式会社の解説を進める前に、なぜIPO(上場)企業を取り上げているのか、少しだけ前提について触れておこうと思います。

安定と成長を追えるから

まず、IPO(上場)をすると投資家から多額の出資をしてもらうので、企業は財務面で安定性が出ます。そして、調達した資本を使って積極的に事業にお金をかけられるので成長が期待できます。

上場直後というのは、調達したお金が最も残っている状態でもありますし、知名度が一気に高まります。そして、企業の安定度は飛躍的にアップしつつも、これから更に調達をした資金を使って成長しようというタイミングでもあるのです。

社員として働く側からすれば、IPOをするタイミングで入社できれば、財務面的にも安定だし、成長性も追うことができるので、二兎追うことができるタイミングとなるのです。

決算や財務情報が公開され透明性が増すから

IPO(株式公開)をすると決算情報や財務情報の開示義務が生まれます

非上場時代は決算を公開していない企業も多く存在します。どれだけ優秀な企業であっても、決算や財務情報がない段階では、その会社の安全性をどこまで信じていいかわかりません。

チャレンジはしてみたいけど、ベンチャーやスタートアップほどにリスクは取りたくないなというタイプの人にとっては、IPOのタイミングは企業の情報がたくさん出てくるのでチャンスとなります。

先回り転職のチャンスがあるから

先回り転職とは、わかりやすく言うと「人気が出る前にその会社に入って、会社が大きくなるのと一緒に恩恵を受けてしまおう」という考えになります。

yahooや楽天、メルカリといったメガベンチャーはご存じですよね。これらメガベンチャーに転職しようとすると、その人気から高い競争率を勝ち抜かなければなりません。採用ハードルはとても高いです。

しかし、これらメガベンチャーにも規模が小さくそこまで有名ではない時代がありました。もしもタイムマシンがあって、上場前の有名になる前に選考を受ける機会があったらどうでしょうか。きっと、今ほどに採用倍率は高くないことでしょう。この考えを「先回り転職」と名付けています

とはいえ、未来のメガベンチャーや有名企業を探すのは簡単ではありません。その点、IPO(株式公開)をしてタイミングであれば、大多数の中から一歩抜きんでた状態となり、一方で、資金もあって成長性も残しているので、未来のメガベンチャー発掘の可能性は高まります。

これからIPOをして羽ばたこうとする会社を早い段階で知って、未来の金の卵に先回り転職できるチャンスを探していこうと思っています。

シマダヤの企業情報

シマダヤ株式会社のトップ画像

会社概要と業績

企業名:シマダヤ株式会社
本社:東京都 渋谷区
資本金:資本金10億円(IPO前)
社員数:約312名(2024年3月時点)
上場区分:スタンダード(予定)
事業内容:おうち麺を前面に打ち出した麺類及び関連食料品の製造及び販売
上場予定日:2024年10月1日(火)
参考資料:同社有価証券報告書

■決算情報(単体)

会計年度 売上高 前年比 営業利益 前年比
2020年3月期 34,640百万円 --- 1,912百万円 ---
2021年3月期 31,142百万円 -10.0% 1,572百万円 -17.8%
2022年3月期 31,265百万円 +0.4% 1,466百万円 -6.7%
2023年3月期 34,066百万円 +8.6% 1,509百万円 +2.9%
2024年3月期 38,930百万円 +14.3% 2,584百万円 +71.2%

沿革と事業内容

シマダヤは、1931年に名古屋の地で米穀商「島田屋商店」を創業した歴史のある会社です。1949年に事業を製麺業に切り替え、「めんのシマダヤ」が誕生しています。

子会社4社11工場を有し、年間約8億食を生産・販売する麺専業メーカーとなっております。商品ラインナップ数はおよそ200品目に及び、約1000の得意先に販売をしており、今日では「麺のリーディングカンパニー」としての確たる地位を固めています。

家庭用のチルド麺と冷凍麺の製造・販売、また、外食・中食産業で幅広く利用されいる業務用の冷凍麺の製造・販売を展開しています。尚、2024年3月末時点での売上比率は下記となっています。

家庭用事業部門の売上:23,897百万円
業務用事業部門の売上:14,708百万円

得意先は食品スーパーなどの量販店で、大きくチルド麺売場向け商品と冷凍麺売場向け商品に分かれます。

シマダヤの7つのビジョン

シマダヤのグループは、社是「奉仕努力」のもと、「おいしい笑顔をお届けします」を経営コンセプトとしています。また、経営コンセプトを実現するために以下7つのビジョンを掲げています。

シマダヤへの特徴と魅力

食品メーカーで働きたいと思っている人にはもってこいの企業です。新卒採用の時に夢叶わず食品メーカーにつけなかった人や、飲食業界からメーカー側に移りたい人にとっては魅力的な会社ではないでしょうか。

おうち麺のブランドを確立しており、環境への取り組みも大事にしている会社です。特徴と魅力を下記に見ていきます。

1.競争力のある魅力的な食品ブランド

ゆでずにさっと水でほぐすだけで食べられる「流水麺」や、からだにやさしい「健美麺」を代表とする茹麺、素材そのもののおいしさが味わえる生麺、常温で100日保存可能なチルド麺などが有名です。いろいろなスーパーにも並んでいますので、食べたこともある方は多いのではないでしょうか。

美味しい、安いだけでなく独自の価値を付加していることで、この先も消費者から選ばれ続けていく可能性があります。家庭用チルド(冷凍食品)の市場は2023年時点で約2,303億円あると言われており、この先シマダヤがどこまでシェアを取っていけるか注目したいところです。

<販売ブランド>

流水麺
時計台シリーズ
鉄板麺
真打
健美麺
皿うどん

2.積極的な研究開発

シマダヤのグループでは、開発研究所・研究開発部が中心となり、家庭用チルド麺・冷凍麺類、業務用冷凍麺・チルド麺類などの商品の研究開発を行っています。

国産原材料の利用拡大に積極的で、家庭用チルド「本生」ラーメンの国産小麦粉化により、国産原材料の拡大及び品質価値向上を実現しています。今後もさらなる国産原材料の拡大に取り組むとのことです。

また、健康機能研究による商品開発も積極的です。健康機能研究については、「機能性表示食品(血糖値上昇抑制他)」「糖質カット」「食塩ゼロ」「そばの健康機能性」等の研究及び商品開発を実施しています。健康機能性研究は、原材料メーカー・大学との共同研究(研究委託)も行っており、新商品開発に向けて研究を進めています。

3. SDGs(食品ロス、プラスチック削減)

シマダヤのグループでは、食周りから環境改善に取り組んでおり、未来の循環型社会になくてはならない会社になりつつあります

具体的には、食品ロス削減に向けて、家庭用チルド商品類を中心に賞味期限延長の研究及び商品開発を実施しており、今後さらなる食品ロス削減に向けて新たな保存技術研究に取り組んでいます。

また、家庭用チルド商品のプラスチックトレー不使用包装形態化及び包装フィルムサイズ縮小等のプラスチック使用量の削減検討を実施しており、積極的に環境保護へ向けた取り組みを行っています。

シマダヤの経営リスク

ここから更に成長を遂げようとしているシマダヤですが、経営リスクもいくつか存在します。

シマダヤに対するリスクというよりも、食品メーカー全体を取り巻くリスクでもあります。我々の身近な課題も多く、リアルな社会課題でもあるので、イメージしながら確認してもらえると幸いです。

人口減少や消費者ニーズの変化

国内人口減少・少子高齢化・物価高騰等の経済情勢による消費需要低迷、グルテンフリー商品への需要の高まり等消費者の食に対するニーズ・嗜好等の変化が業績に影響を及ぼす可能性があります。

特に日本の人口減少は、シマダヤや食品業界に限らず深刻な影響を及ぼします。現在の日本の総人口は1億2435万2千人で、13年連続で減少しています。2048年には1億人を割って9,913万人となり、2060年には8,674万人になると推計されています。

シマダヤの場合は麺類中心で主食に近い食材を扱っているため影響はそこまでないかもしれませんが、物価高の影響もあるでしょう。いつしか、麺一杯が500円なんて時代が来ないことを祈るばかりです。

総務省統計局 / 人口推計より
内閣府 / 将来人口推計より

物流に関するリスク

物流業界におけるドライバー不足や燃料高が喫緊の問題として挙がっており、今後、市場への商品供給力の低下と商品供給力を確保するためのコストアップが予測されています。

2024年問題と言われている、ドライバー不足からの日本社会全体で起こる輸送能力の低下の影響(の懸念)をシマダヤも受けることになります。ドライバー不足から円滑な輸送体制の心配が生じ、および、足らないドライバーを取り合うことで人件費の高騰が起こり、ダブルパンチが予測されているのです。

原材料やエネルギーの調達並びに価格高騰リスク

年間8億食にもおよぶ食品を生産するため、膨大な原材料及びエネルギーが必要となります。

シマダヤの主原料でもある小麦やそば粉がウクライナ戦争などの国際情勢の影響等で調達できないケースや、原材料及びエネルギーの需給逼迫や価格高騰が予想されます。

実際、物価はここ数年上昇しています。物価上昇がこの先継続し、消費者が買い控えを起こした際は売上に影響が出てくるでしょう。

<直近3年の物価上昇推移>
・2022年の物価上昇率:1.030(実数)
・2023年の物価上昇率:1.038(実数)
・2024年の物価上昇率:1.030(仮置き)
※データ参照:厚生労働省 毎月勤労統計調査より

採用状況

公式採用ページはこちらです。

募集は公式採用ページのみで、求人サイトなどでは中途採用の情報を確認できなかったのですが、この先に備えてアンテナを張るのもよいでしょう。株式公開をして大きな資本が入りますので、採用が加速する可能性があります


以上で、「【IPO企業×先回り転職情報】おうち麺で有名なシマダヤ」の解説は終わりとなります。

シマダヤへの転職は、IPOを行う今が絶好のタイミングです。同社は成長性が高く、業界内での評価も非常に高い企業です。これから人気が高まる前に、少し先回りしてチェックしておくとよいと思って紹介させていただきました。

安定を求めつつも成長を享受したい方にとって、シマダヤは非常に魅力的な選択肢となるでしょう。

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