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BtoBとBtoCの違いは?キャリア形成するならどっちを選ぶべき?

BtoBとBtoC、キャリア形成どっちがいい?

BtoB企業よりも、BtoC企業の方が人気は高い傾向にあります。

B2Bは人気があまりないのはなぜでしょうか。理由は、人生であまり目に触れず知名度がないからです。

・B2B企業はあまりCMを打たない
・B2Bの商品を普段買うことがない

ただ、知名度が低いと言うだけで関心を持たないのは勿体ないかもしれません。

BtoBとBtoC、どちらのキャリアを進んだ方がメリットがあるのかここで考えてみたいと思っています。今回のテーマは、キャリアという観点でB2Bの企業を少し知ってもらって、興味を持ってみようというお話です。

当コンテンツの骨子

#BtoBの魅力発見
#BtoBとBtoCの比較あり
#対象職種(営業職、マーケティング、人事)

BtoBとBtoCの基本情報

まず、超基本的な所から触れておきます。

BtoCとは「Business to Consumer」の略で、顧客は個人(一般ユーザー)です。
BtoBとは「Business to Business」の略で、顧客は企業(法人)です。

BtoCの企業は、個人を相手に商売をしていますので、身近な会社の多くはBtoCの企業の可能性が高いです。たとえば、ドコモやソフトバンク。この2社はたくさんCMを打っていていやでも目にしますよね。

BtoBはどのようなイメージを持てばいいでしょうか。大企業を例にあげれば、トヨタ自動車に卸す鉄を作って卸している「鉄鋼メーカー」がそれに当たります。ほかには、身近な例で言えば、ラーメン屋さんに卸す麺を作っている製麺屋はBtoBの企業と言えます。

BtoBは顧客が法人なので、法人向けにしかメッセージを発しません。鉄鋼メーカーや製麵屋さんが個人宅に鉄や生麵を売るに行っても買ってもらえないからですね。

BtoB大手もCMを打ち始めた

BtoB各社のTVCM

唐突ですが、4つの最近流れているCMのキャプチャを貼らせてもらいました。これらのCMのは見たことはありますか?

『♪無いぞ、無いぞ、知名度。SCSK』
『どこ見てる?100年先だよ。サス鉄ナブル! JFE』
『AではじまりCでおわる素材の会社はAGC』
『すべてを突破する。TOPPA!!!TOPPAN』

今田美桜さんのSCSK、サンドイッチマンのJFE、広瀬すずさんのAGC、大泉洋さん・成田凌さんのTOPPANのCMです。BtoB企業の大手も近年ではTVや動画CMを流すようになってきました

上のキャッチコピーを見ていただければわかりますが、とにかく社名の連呼をするCMが多いですね(笑)。企業側も認知度の低さは認識していて、知名度を上げようとする流れに変わり始めました。

認知度を上げて、会社のブランドを浸透させて、日々の取引や人材採用に役立てようという狙いがあります。

BtoBとBtoCは4象限に分かれる

BtoBとBtoCは左記にお話しした通り、法人向けにビジネスをしているのか、個人向けにビジネスをしているのかで分類できます。ただ、そこからさらに、製品やサービスがモノかサービスかで分けて考えて行くことができます。

BtoBとBtoCの4象限の図

上の図通りで4象限に分けられるのです。まずは、イメージを付けてもらうために各象限の代表的な生産物やサービスの記載をさせてもらいました。

これから、BtoBとBtoCの特徴を詳しく見ていくために、4象限に分解しながら見ていきましょう。

BtoBとBtoCの特徴を詳しく見る

BtoB企業(モノ)の特徴

BtoB(モノ)のイメージ図

◆基本情報:
BtoB企業(モノ)としては、鉄鋼、重工、半導体、素材、部品メーカーなどが該当する。その多くは、完成品メーカー(自動車、航空機、電車、総合電機、PC・スマートフォン、ビル・住宅等)を顧客とする。歴史のある会社も多い。

◆代表的な企業:
日本製鉄、JFE、AGC、キーエンス、武田薬品、ファイザー、アドバンテスト、ファナック、三菱重工、住友電気工業、信越化学工業、沖電気工業、日清製粉など。

◆特徴:

  • 😄長く働きやすい
    社会を支えるなくてはならない製品を扱っている企業が多く、一般消費者のブームなどに左右されることが少ない。また、厚生労働省の雇用動向調査結果2023によると、製造や鉱業などの業界の離職率は全体平均より低い。そのため、長く働きやすいと言える。
  • 😄グローバル化のチャンスが多い
    2024年現在、日本製鉄がUSスティールを買収しようとしているように、海外展開をしている企業は多い。グローバルで活躍するチャンスは多いと言える。
  • 😄製品ロットが大きく取引額が大きい
    企業間取引であるため、BtoCと比較すると取引金額は大きい。また、個人取引と異なり、取引は継続して行われる。尚、販売価格は季節や為替、物価など様々な要因を通じて変動することが多い。
  • 😰工場があるため立地の拘束がある
    製造を行うため、地方に大規模な工場を有していることが多い。そのため、工場周辺が勤務先になることもある。
  • 😰アイデアをすぐに形にしづらい
    BtoB(モノ)の企業は、研究畑とその他で明確に分けられているケースが多く、BtoCの企業と比較して製品開発やサービス作りの難易度は高い。
  • 😰知名度は低め
    BtoB(モノ)の企業は、顧客は企業であるため大多数の一般消費者の認知はあまり必要としない。むしろ、取引先の業界などの特定領域に限った知名度向上の活動が必要となる。そのため、BtoC企業と比べると知名度は落ちる。

BtoB企業(サービス)の特徴

BtoB(サービス)のイメージ図

◆基本情報:
BtoB企業(サービス)としては、TV局、広告代理店、システムインテグレーター、業務システムやSaas、人材・研修コンサルティングなどの企業などが該当する。顧客の企業は業種や規模など特に制限はなく、あらゆる企業が対象となり得る。

◆代表的な企業:
テレビ朝日、日本テレビ、電通、博報堂、サイバーエージェント、NTTデータ、アクセンチュア、野村総研、SCSK、ラクス、Sansan、システナ、SmartHRなど。

◆特徴:

  • 😄人が中心の会社が多い
    製品やサービスが無形のものであるため、土地や工場などを原則必要としない。そのため、企業の経営資源は人に頼る所が大きい。
  • 😄アイデアを形にしやすい
    製品やサービスが無形のものであるため、アイデアをビジネスに活かしやすいという特徴も。自分のアイデアで勝負したいというタイプには向いている。
  • 😄営業利益率が高め
    無形サービスで原価があまりかからないため、売り上げはそこまで大きくないが営業利益率が比較的高い。また、営業利益率が高い企業は、年収が高い会社ことも多い。
  • 😄ベンチャー、スタートアップが多い
    IT業界を中心として、新しい技術やサービスで起業する会社が多くある。そのため、自分の実力を試したいという考えの人には相性がよい領域と言える。
  • 😄課題解決能力やPM力が身につきやすい
    システム開発、コンサルティング、広告などを介して企業の売上や業務効率や向上の支援を行う。そのため、課題解決能力やプロジェクト管理能力が身に付きやすい。
  • 😰離職率はやや高い業種も
    厚生労働省の雇用動向調査結果2023によると、情報通信業の離職率は平均並み。ただし、放送やコンサルは平均より高めの離職率となっている。

BtoC企業(モノ)の特徴

BtoC(モノ)のイメージ図

◆基本情報:
BtoC企業(モノ)としては、食品、化粧品、家電、自動車など生活回りで必要なメーカー中心などの企業などが該当する。顧客は一般ユーザーとなり地域や性別、年齢など関係なく対象となる。

◆代表的な企業:
味の素、日清食品、サントリー、花王、資生堂、JR、スターバックス、パナソニック、ソニー、セブンイレブン、イオン、キリンビール、トヨタ自動車など。

◆特徴:

  • 😄ブランド力が高い
    BtoC(モノ)のトップクラスの企業はいずれも高いブランドを有する。消費者へ直接商品を販売し、世の中へ影響力を及ぼすことができるためやりがいを感じやすい。
  • 😄アイデアを形にしやすい
    製品やサービスが無形のものであるため、アイデアをビジネスに活かしやすいという特徴も。商品企画へ異動し、自分のアイデアで勝負したいというタイプには向いている。
  • 😄長く働きやすい
    社会を支えるなくてはならない製品を扱っている企業が多く、一般消費者のブームなどに左右されることが少ない。また、厚生労働省の雇用動向調査結果2023によると、製造業の離職率は全体平均より低い。そのため、長く働きやすいと言える。
  • 😄ヒットメーカーになれるチャンスも
    消費者に直接商品を使ってもらえるためヒット商品が毎年生まれる。むしろヒット商品やロングセラー商品生み出すために日々創意工夫を求められると言っても過言ではない。
  • 😰販売チャネルが多い
    BtoC(モノ)の企業は忙しい。商業施設やスーパーなどリアル店舗での流通や、ECでのネットショップ、SNSを通じた認知度向上などリアルからオンラインまでプロモーションが必要となる。その分、得られるスキルは多い。
  • 😰流行に左右されやすい
    消費者をターゲットとしているため、ちょっとしたことで流行が変わり商品の売れ行きが変わってしまう。商品ラインナップが少ない会社は変動が大きくなる。

BtoC企業(サービス)の特徴

BtoC(サービス)のイメージ図

◆基本情報:
BtoC企業(サービス)としては、インターネットサービスを手掛ける企業が該当する。その中で、旅行、飲食、住まい、教育などの領域で企業が分かれる。顧客は一般ユーザーとなり地域や性別、年齢など関係なく対象となる。

◆代表的な企業:
Yahoo、LINE、楽天、リクルート(ゼクシィ、じゃらん)、SUUMO、ディー・エヌ・エー、オイシックス・ラ・大地、スタディプラス、エン・ジャパン、クックパッド、インフォコムなど。

◆特徴:

  • 😄人が中心の会社が多い
    製品やサービスが無形のものであるため、土地や工場などを原則必要としない。そのため、企業の経営資源は人に頼る所が大きい。
  • 😄ベンチャー、スタートアップが多い
    IT業界を中心として、新しい技術やサービスで起業する会社が多くある。そのため、自分の実力を試したいという考えの人には相性がよい領域と言える。
  • 😄プラットフォーマーが強い
    BtoC(サービス)のトップクラスの企業はいずれも高いブランドを有する。Yahoo、LINE、リクルートのようにプラットフォーマーになると日々の生活の中までガッチリと浸透する。影響力は絶大となる。
  • 😄アイデアを形にしやすい
    製品やサービスが無形のものであるため、アイデアをビジネスに活かしやすいという特徴も。自分のアイデアで勝負したいというタイプには向いている。
  • 😄起業チャンスが多い
    製造業と違い、土地や生産設備が不要なため、BtoC(サービス)の企業でノウハウを習得した後は起業は比較的しやすい。
  • 😰顧客単価は低め
    消費者をターゲットとしているため、生活や娯楽の範囲内での消費額が単価の限界となる。毎月、数千円~数万円の単価が平均となるはずで、BtoBよりは低くなってしまう。
  • 😰サービスの訴求や体験作りが難しい
    無形サービスであるがゆえに、自社のサービスをどのように訴求し、どのように顧客へサービス体験をしてもらうか考えるのが難しい。

BtoB / BtoCに向いている人の特徴整理

最後に、BtoBとBtoCに向いている人の特徴を整理しておきましょう。

下記の図を照らし合わせながら、自分の求めたいことと得たい経験やスキルから逆算しながら考えてもらえればと思います。

BtoBとBtoCの適性図

以上で、「BtoBとBtoCの違いは?キャリア形成するならどっちを選ぶべき?」の解説は終わりとなります。

BtoBの企業は社会や企業の課題解決をミッションとしているため、得られるスキルや経験は魅力的です。長いこの先のキャリアを考えると、BtoCよりもBtoBの方が安定もしますのでおススメかもしれません。

最適な選択をしていただければと思います。

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