人材紹介は自分のキャリアパスも描ける
人材紹介は忙しい。企業の採用支援と求職者の転職支援で、自分のキャリアを顧みる余裕がなかなかない。人材紹介の業界に足を踏み入れた途端、一瞬で2,3年過ぎ去っていることだろう。
しかし、安心してほしい。人材紹介(転職エージェント)の経験者には、魅力的な7つのキャリアパスがある。企業の採用支援や求職者のキャリア形成のお手伝いをしながら、自分のキャリアも同時に描くことができる。
当記事では、人材紹介会社でRA(リクルーティングアドバイザー)とCA(キャリアカウンセラー / キャリアコンサルタント)の経験者を対象に、どのようなキャリアパスがあるのかを解説していく。
一応、ぼくも人材紹介経験者なんだけど、どんなキャリアパスあるのかな。
たくさんキャリアパスあるから大丈夫ニャ。もこのご飯の準備とトイレ掃除をお願いするニャ。
ありがたいことに、新たにもこネコのご飯係とトイレ掃除係というお世話(キャリアパス)も増えた💦もこネコには感謝しつつ、実際はどのようなキャリアパスがあるのか見ていこう。
人材紹介経験者の「7つのキャリアパス」
1.スペシャリスト / エキスパート職
人材紹介のスペシャリストとしてキャリアを極めていく道がある。
人材業界で長く仕事をしていると、この人には適わないと思えるRA / CAのトップコンサルタントたちがいる。「人材屋」として、リスペクトに値する高い技能や実力を有している。
スペシャリストの中でもさらに3つの道がある。もし、スペシャリスト志向の場合は、下記から目指したいスペシャリストの姿を追いかけてみるといいだろう。
- 高いNPS(顧客満足度)を誇る人気コンサルタント
顧客の期待を上回る転職支援を行っていると、顧客満足度が上がる。顧客満足度が上がると、比例して紹介の数も多くなる。顧客満足度の高さは、高いスペシャリティの裏付けになるだろう。
RAであれば、企業のニーズを的確に聞き出し、企業のブランディングをしっかりと行い採用を決める。採用に苦戦している企業は多い。RAの腕の見せ所はいくらでもある。
CAであれば、求職者の良い所を見出し、時に本人の希望を鵜吞みにせず、転職決定までいざなう。本人が気づいていない可能性をみつけ、照らすことができれば、強烈なあなたのファンになってくれる。
高いマッチング精度を誇り、顧客満足度も高い場合は、顧客が途切れることがない。顧客満足度の高い人気コンサルタントを目指してみはどうだろうか。 - 業界トップクラスの腕利きコンサルタント
毎年、ビズリーチやリクルート、パーソルキャリアなどの人材サービス会社では優秀なコンサルタント(ヘッドハンター)を表彰する、ヘッドハンターアワードと一呼ばれるイベントを催している。
<ヘッドハンターアワードの代表例>
・ビズリーチ / JAPAN HEADHUNTER AWARDS
・リクルートダイレクトスカウト / HEAD HUNTER RANKING
・パーソルキャリア / HeadHunter of the Year by doda X
ヘッドハンターアワードは、会社単位と個人単位での2つの表彰を行う。ハイクラス部門や若手、満足度や職種や地域などに分けて、さまざまな仕切りで表彰を行ってくれる。このようなヘッドハンターアワードでノミネートされれば、この上ない名誉となる。
社内での表彰ではなく、業界横断での表彰なのだ。ヘッドハンターアワードで入賞は、スペシャリストを目指すキャリアパスとして目指しやすいものの一つになるだろう。 - 年収1,000万円プレイヤー
人材紹介は高い年収を目指すこともできる業界だ。
人材紹介(有料職業紹介)は、成功報酬で転職者の年収の30-50%程度を企業から貰うことが一般的だ。年収が500万円の人が転職決定すると成功報酬は150-250万円程度になる。
軽自動車が1台売れると約50万円程度の粗利と言われているから、ひとりの転職支援ができたら軽自動車3台分以上の粗利となる。高単価なビジネスゆえに、高い成約率を誇るコンサルタントの年収1,000万円を超える。
人材ビジネスで高い年収を貰うと聞くと、強引な転職支援にならないか?と心配になる人もいるかもしれない。しかし、「安心してほしい」。人材紹介は求職者の意思があり、企業の意思がある。それゆえ、強引に転職をしようとしても成立しない。
人材紹介で高い年収を貰う=企業、求職者、コンサルタント本人が三者三様にハッピーな状態と言えるだろう。
2.マネジメント職
マネジメントポジションへの昇進を目指すことも可能である。キャリアを縦に積む格好だ。
チームリーダーやマネージャー、事業部長として、他のリクルーターを指導し、彼らの目標達成をサポートする役割を担う。このキャリアパスでは、リーダーシップスキルや戦略的思考が身につけられる。
人材紹介はざっくりとRA、CA、企画・マーケティングの3組織に分けられる。その3組織でマネジメントコースを歩むのだ。そして、ありがたいことに、どの人材紹介会社に勤めたとしてもマネジメントチャンスは豊富にあるだろう。理由は主に2点ある。
- 業界が伸び続けているためポストが空きやすい
人材紹介は業界全体が伸びている。そのため全体的にマネジメントのポストが空きやすい。上が詰まっているということが起こりづらい。
下記に3つのデータを引用しておこう。いずれも厚生労働省が公表している、職業紹介事業の市場情報に関するとりまとめデータだ。人材紹介の開業数は年々増加し、人材紹介経由での就職件数と人材紹介の市場規模全体の売上は増えている。
・民営職業紹介事業所数の推移
・就職件数(常用就職)の推移
・有料職業紹介事業の手数料収入の推移 - コンサルタント組織のためマネジメントが求められやすい
人材紹介の業界は、本質的にマネジメントレイヤーのニーズが高い。なぜなら、事業を拡大すればするほどコンサルタントと呼ばれるRA /CAの人数が増えていくからだ。
インターネット販売やWebメディアなどのように、インターネットがビジネスの中心の価値を占めるわけではない。組織が大きくなればなるほど、比例してRA/CAの人数が増えていきマネジメント職の人数も増えていく。
人材紹介の業界に足を踏み入れて2,3年もすればリーダーをしてほしいと打診が入ることだろう。マネジメント経験の有無は、キャリアにとってとても大事な要素となる。一度はマネジメント経験を積んでおくといいだろう。
3.企画職(営業企画 / 経営企画 / システム企画)
人材紹介会社で働いていると企画職にチャレンジできるチャンスがある。企画職といってもいくつかある。営業企画から経営企画から、システム企画まで幅広い。そして、そのいずれにもチャンスがある。
人材紹介の企画職はとてもおもしろく、やりがいがある。なぜなら企業の成長と人の成長にダイレクトに関わるサービズを行っているからだ。企画職自体が戦略的でおもしろいうえに、業界特有のやりがいもプラスされる。
実際、筆者(転職ギルドマスター)も前職、前々職で企画職にも従事していた。なぜ、人材業界だと企画職へのチャンスがあるのか下記に解説しよう。
- 取り扱うデータが広く、量が多いから
人材紹介は大前提として企業のデータと人のデータを取り扱う。それも、数千社の企業データから数万人にも及ぶ人材データを取り扱う。
企業側は業種、資本、サービス内容、仕事内容、採用要件、人事のデータ、社員数、文化など、数えきれない項目のデータを蓄える。求職者側は、年齢、性別、職種、年収、在籍企業、希望条件、履歴書・職務経歴書など、こちらも数えきれない項目のデータを格納する。
データは貯めているだけでは意味がない。活用のために、「営業企画」が必然的に求めらえる。データをクレンジングし、整理し、マッチングに活かしていかなければならないのだ。コンサルタントの勘や経験だけでは会社が俗人化してしまう。
データが好きな人や企画職に興味がある人に関しては、自ずと企画職の白羽の矢が立つだろう。 - 会社が急成長する可能性があるから
前述の通り、人材紹介は業界自体が成長中だ。そのため、急成長している会社は多い。例えば、レバレジーズ株式会社などは、毎年数百名もの新卒や中途採用を行っている。
会社が大きくなり、サービスが増えてくると営業企画だけでなく会社全体のかじ取りをサポートする「経営企画」が求められてくる。毎月の経営レポートの作成や中期経営計画の策定を行う。時には企業買収(M&A)なども行うことがあるだろう。
経営企画は社外から募集を募ることもしばしばだ。しかし、人材ビジネスのイロハを知らない人に経営企画は任せづらい。伸び盛りの人材業界だからこそ、経営企画のチャンスは転がっていると言える。 - システム化の需要が高いため
人材紹介はほとんどのケースで、開業当初は基幹システムは内製化せず、人材システムのパッケージを使ったスタートをすることが多い。そして、事業が大きくなるにつれ、カスタマイズの開発や周辺システムの開発の需要が高まる。場合によってはシステム内製への切り替えが進んでいく。
最初は、求人管理やマッチングシステムだけだったものが、面談の予約や調整システム、会員ポータルなど、次々にいろいろなシステムが必要となってくる。
普通は、ITやシステム周りはエンジニアが担うことが多いと思う。ただ、人材紹介の場合は、人材のイロハが分からなければシステムの企画を担いづらい。そういう背景もあり、「システム企画」に関してもチャンスが回ってくることがある。
実際、筆者もシステムの要件整理や設計書を何度も書いたことがある。キャリアに貪欲な人はぜひ視野に入れてみて貰いたい。
4.マーケティング職
人材紹介は、現場のRA / CAでもマーケティングに転向できるチャンスがある。
なぜなら、求人と求職者双方の仕入れが必要となるため、日常の中でマーケティングについて考えさせられるからだ。どれだけ魅力的な求人が多数あっても紹介先の求職者がいなければ始まらない。その逆もしかりだ。ビジネスの起点として、仕入れ(集客)が先に立つ。
会社が小さなうちは、ビズリーチやリクルートダイレクトスカウト、DodaX、AMBIなどの転職媒体でスカウトを打ち、既存の取引先企業へ紹介を行っていければそれで済む。しかし、会社が大きくなるにつれてよりスカウト以外の仕入れが必要となる。また、予算も増えるのでさまざまなマーケティングが可能となる。
実際、下記のようなマーケティングのチャンスがあるだろう。
- スカウト設計
過半のエージェントで求職者のスカウト業務を行っているだろう。事業規模が小さなうちは、個々の社員に自由にスカウトを任せているエージェントもあるだろう。しかし、規模が大きくなるにつれ仕組化が進んでいく。
その仕組み化のことを「スカウト設計」という。
スカウトはどういう職種や年齢の人に、どういうメッセージを添えるか。どういう求人に対して興味を持ってくれるか思考する。人材紹介におけるマーケティングはスカウトから始まると言っていいだろう。
その人のレジュメから経歴を読み取り、こちらに関心を持ってもらう。大変だけれども、相手のキャリアや人生観を想像して打つスカウトは自ずと気合が入ってくるはずだ。 - Webディレクター / SEOマーケティング
大手のエージェントの場合はあまりチャンスはないかもしれないが、そうでない場合はSEOマーケティングに携わるチャンスが出てくるはずだ。
SEOマーケティングとは端的に言えば、Webサイトやプログの運営だ。Webを使って企業の引き合いや求職者のリードを獲得する。
まだ会社が小さなうちは広告にかける予算は限られている。そのため、初期費用が抑えらえるSEOを使って集客の強化は図ることが多い。
いつかは自分たちのメディアを持ちたい、と考える人は案外と多いのではないだろうか。Webディレクター / SEOの経験が詰めれば、人材業界に限らず外の業界へもチャレンジができることだろう。 - リスティングなどのWeb広告
ある程度会社が成長して売り上げが数億円レベルに達してくると、いわゆるWeb広告を回し始める。Google AdsやYahoo、FacebookやInsta広告などだ。
広告に関しては専門スキルも必要なため、外部からマーケティング担当者を採用することもある。
ただ、広告に関するオペレーションは分からなくとも、訴求内容などは現場上がりのRA / CAでも考えられる。そのため、最初は細々と現場担当者を広告担当として抜擢して広告運用を任せるケースも考えられる。
Webマーケティング担当者になるとインターネット企業や有名スタートアップ、大企業へのチャレンジも可能となってくる。もしも、広告運用に異動できる機会があれば、ぜひチャンスを検討してみほしい。 - 人材アフィリエイト広告
人材業界ではアフィリエイト広告を使って求職者の集客を行う。
アフィリエイト広告がピンとこない人もいるかもしれない。ただ、一度は見たことがあると思う。「人材紹介会社おすすめ〇〇選」などの比較サイトがそれだ。そこに自社の会社のバナーを載せてもらい、広告を貼るのだ。
そして、アフィリエイト会社には1名につきいくら、と送客ベースで広告費を払う。IT人材であれば1名あたり1万~2万、営業職であれば5千円~1万円といった感じで相場がだいたい決まっている。
アフィリエイト広告の担当になると、自社のブランディングの大事さを痛感させられることだろう。求職者には数あるエージェントの中から、自分たちの会社を選んでもらわないといけないからだ。 - マス・交通広告
会社が大きくなれば遂に芸能人を起用し、大々的に宣伝ができるマス広告が打てるようになる。大規模なプロモーションに関われる稀有な経験ができることだろう。
今、TVやYoutubeを見ていると、人材系のCMは非常に多い。リクルートやビズリーチ、Dodaは当然ながら、IT専門のGeekly、レバレジーズなどなど新興勢の企業も盛んにCMを流している。電車内での広告ジャックも稀に見ることがある。人材は多額のCM・広告を投下しても十分にペイできる市場なのだろう。
人材以外の業界であれば、マスや交通広告は広告畑のエースしか関わるチャンスはないだろう。ただ、人材会社の場合は、急成長している会社も多く、会社が小さいうちから所属し信頼を積んでいければ、マスプロモーションに関わる機会はきっと出てくるだろう。
5.人事・広報職
ご存じだろうか。人材紹介経験者が社内・社外問わず人事へ転身するケースは、実はとても多い。
人事の中でも、採用・リクルーティングの領域でとても相性が良い。CAよりもRAの方が、企業側の採用プロセスなどに精通しているため特に相性が良い。
人事の仕事はいくつかに区分できる。「採用・リクルーティング」、「労務管理」、「育成・人事制度」などだ。企業は新卒・中途採用で通年活動を行うため、採用のプロフェッショナルであるエージェント経験者は人事の採用要件にぴったりなのだ。
人材紹介会社で働いていた側からしても、人事の仕事は魅力的だ。なにしろ、エージェント側だと採用が決まった時点で、求職者にそれ以上関わることがない。しかし、人事だと採用後の先まで関わることができる。いずれ人事もやってみたいと思っている人は、人材紹介会社でまずは採用のイロハを学んでみるのをおすすめしたい。
尚、もし人材紹介会社の中で人事に転身する場合は、広報の経験もすることができるだろう。noteやFacebookなどを使って、自社への転職希望者向けに社内情報を発信する。キャリアを横に伸ばすことができることだろう。
6.HR採用・組織人事コンサル(社外)
人材(HR)の仕事でプロフェッショナルを極めるため、採用・組織人事コンサルの道に進む人も一定数いる。人材に関わる仕事は、採用だけではない。採用以外にも、育成、定着、制度作りとタレントマネジメントの領域にも繋がっていく。
採用・組織人事コンサルのミッションは、1人の採用というレベル感の仕事ではない。組織や会社単位での課題解決がミッションとなる。
採用コンサルティングは採用プロセスの設計と最適化を支援する。どういう媒体で求人を出し、どういう求人構成にしたらいいかなどのアドバイスを行う。時に、ハンズオンで実際にスカウトを打ち、面接調整のお手伝いもする。組織人事コンサルティングは、企業の新しい人事評価制度作成の手伝いや、社員研修・教育などのお手伝いをする。
人材に関する仕事が好きで、それを多角的に極めていきたい人にとっては、コンサルはうってつけだ。難易度の高い仕事を請け負ってやり遂げた時は、何とも言えぬ達成感を味わうことができるだろう。
7.独立開業
人材紹介会社で経験を積んだのちに独立する人は多い。筆者の知人や以前の同僚でも独立したメンバーは複数いる。
なぜ、独立がキャリアパスのひとつと言えるほど、多いのだろうか。理由は、開業要件が比較的低いからだ。500万円の供託金と面談用ルームの確保等あれば厚生労働省から営業の許可を貰うことができる。
人材紹介は、何年か経験を積んでいくと、自分なりの人材紹介における哲学やポリシーが確立され、こだわりも出てくる。企業や求職者と日々接するうちに、自分なりの哲学やポリシーに基づく採用 / 転職支援をしたくなってくる。そういった時にふと独立が頭によぎる。そして、ある程度実力がついてきた後に、開業要件の低さもあいまり独立する人が一定数いるのだ。
独立願望がある人に関しては、人材紹介はぜひおすすめしたい業態のひとつと言える。自分なりのこだわりうやカラーを掲げ、人材ビジネスができれば最高だろう。
人材紹介経験者のキャリア設計
ここまで7つのキャリアパスを見てきたが、その魅力や幅広さに気付いてもらえただろうか。
人材紹介は、企業の成長と人のキャリアを繋げる仕事のため、実にさまざまな能力が身につく。身につく能力が広いゆえに、その後のキャリアパスも広いというわけだ。
キャリアパスが広いゆえに、どう歩んでいけばいいか分からない人もいるかもしれない。そういう人たちのために、「人材紹介で身につく能力から繋がるキャリアパス」と「自分の興味(志向)から描けるキャリアパス」の2つの観点で整理してみた。
得たい能力からキャリアパスへ繋げる
・採用ノウハウ / 知見
人材紹介は採用に関して広範かつ高い能力を得ることができる。
求職者や企業のヒアリングにおける「傾聴力」や求人企業の「ブランディング」、企業の採用支援における「課題解決力」、「採用ノウハウ」など、多岐に渡る能力が身につく。採用ノウハウ / 知見が身につけば、下記のようなキャリアパスを手に入れることができるだろう。
→スペシャリスト / エキスパート
→人事・広報職
→HR採用・組織人事コンサル(社外)
→独立開業
・マネジメント能力
人材紹介はコンサルタントがあっての業態となるため、必然的にマネジメントが求められる。人材業界に限らず重宝される「マネジメント経験」が手に入りやすい。
また、マネジメント経験は企画職などにも応用が利く。企画職は企画をする人と思っている人もいると思うが、実は、企画の「遂行力」が強く求められる。高い企画力があっても、実行できなければ意味がないからだ。マネジメント経験が積めれば、下記のキャリアパスが開けることだろう。
→マネジメント職
→企画職(営業企画 / 経営企画 / システム企画)
・データ分析能力
人材紹介業務では、データの管理や分析が重要な役割を果たす。求職者データベースや企業データベースの多様な情報を取り扱い、分析を行う。
一流のコンサルタントは勘や経験ではなく、これらデータを使いこなして高度なマッチングを行う。データ分析もできるRA / CAになれれば、どこの転職エージェントに行っても第一線で活躍できることだろう。そして、下記のようなキャリアパスを手に入れることができるだろう。
→スペシャリスト / エキスパート
→企画職(営業企画 / 経営企画 / システム企画)
→マーケティング職
・課題解決能力
特にRAをしていると企業の採用課題に取り組むため、課題解決能力が身につく。
求人の打ち出し方に問題があるかもしれないし、選考のオペレーションに問題があるかもしれない。はたまた、企業の採用ブランディングの仕方、選考スピード、面接官の印象などどこにボトルネックがあるかわからない。
RAの仕事に丹念に向き合っていると、上記のようなボトルネックを見極め解決案を提示できるようになる。そして、課題解決力が身につけば、下記のようなキャリアパスを手にすることができるだろう。
→企画職(営業企画 / 経営企画 / システム企画)
→HR採用・組織人事コンサル(社外)
→独立開業
志向から考える
キャリアパスを考える際、自身の志向から考えてみても良いだろう。
いろいろな切り口があると思うが、人材業界とそれ以外という大きなフレームで整理してみた。人材に関わる仕事が好きな場合は、人材業界内でのキャリアを縦や横に伸ばすと良い。他の業界も見てみたい場合は、それを踏まえたキャリアパスを考えるといいだろう。
・人材業界内でキャリアを作る
人材の仕事は企業の成長と求職者のキャリア、それぞれに関わるため本当に奥が深い。最初の3年で基礎のイロハを学び、10年かけてようやく「人材屋」の入り口に立てる状態になる。
一流のコンサルタントは、自分なりの人材哲学やポリシーを持っている。そして、採用以外にも育成や定着、人事制度の構築など、幅広い人材(タレントマネジメント)に関する知識も持っている。このような、人材のプロをめざしたい場合は下記のキャリアがおすすめだ。
→スペシャリスト / エキスパート職
→マネジメント職
→企画職(営業企画 / 経営企画 / システム企画)
→HR採用・組織人事コンサル(社外)
・人材業界以外でも通用するキャリアを作る
人材業界以外でも通用するキャリアを手にしたい場合は、人材採用以外にも普遍的に通用するスキルを身につける必要がある。
その場合、数値分析に強くなり企画職やマーケティング職で経験を積むと良いだろう。あるいは、採用力を活かして、人事・広報職として、業界横断的な人事を目指すのもおすすめだ。
→企画職(営業企画 / 経営企画 / システム企画)
→マーケティング職
→人事・広報職
・独立も視野に入れたキャリアを作る
独立も視野に入れておきたい場合は、人材に関して高いノウハウ・経験を有しておくことをおすすめる。
独立当初は自身がRA /CA兼代表として、一人親方のような形で独立するケースが多いだろう。そういった場合は、RA / CAにおける高い能力があると安心だからだ。
→スペシャリスト / エキスパート職
→企画職(営業企画 / 経営企画 / システム企画)
思い思いのキャリアを歩め
人材紹介は雇用の創出が主たる職務となるので、社会貢献に直結しやりがいを感じやすい。また、採用に関する専門性が身につくため、キャリアを確立しやすい。
前述の通り求人企業と求職者という2つの顧客を持つ。そのため、うまく転職が決まった場合は企業からも求職者からも「ありがとう」と言ってもらえる。ありがとうが2回もらえる業界なのだ。
売り手市場の今、多くの企業はなかなか人材を確保できない。求職者が仕事を選べる時代になってきて、採用の難易度は上がってきている。企業と求職者、それぞれに対してサポートができる人材になれれば、市場価値は跳ね上がる。
当記事を参考にしてもらい、思い思いのキャリアを歩んで行ってもらえればと思う。