履歴書・職務経歴書

営業成績が平均の人のための職務経歴書の作り方。

営業成績が平均の人のための職務経歴書の作り方

当コンテンツの骨子

※営業職経験者向け
※営業成績が平均の人向けの職務経歴書作成ノウハウ

営業成績が特に際立つわけではないが、それでも自分のキャリアをしっかりとアピールしたいという営業職の方々にとって、職務経歴書の書き方は頭を悩ませる。

トップセールスマンではない自分をどう表現するか、どのように自分の強みを引き出し、次のキャリアステップへと繋げるか。そのためのノウハウを、このガイドで解説していく。

職務経歴書を書く前の、5つの質問

職務経歴書を作成する前に、自分自身に問いかけてほしい5つの質問がある。

これらの質問を通じて、理想とする営業像を思い浮かべてほしい。そして、自己理解を深めギャップを確認する。そこから、自分の強みや弱みを見つけ出し、それを職務経歴書にどう反映させるかを考えることができる。

できる営業のイメージを想像するだけでも職務経歴書の見栄えはがらりと変わってくるし、その後の面接のパフォーマンスも変わってくる。

質問1.砂漠で何を売っても良いとしたら何を売るか。

普通に何も考えずに回答するならば、「水を売る」という回答が出てくるだろう。しかし、もっと面白いものは売れないだろうか。

ラクダの横断ツアー、キャンプ用品、写真館、夜空のプラネタリウムといった回答なんかどうだろう。おそらく、優れた営業暑さや過酷な環境を逆手に取った体験に目を向ける

この質問は、単に物を売る能力だけではなく、体験や価値を提供する力があるかどうかを考えるためのものだ。営業成績が普通でも、顧客に何を売るかではなく、どのようにその価値を伝えるかに焦点を当てることができれば、あなたの職務経歴書に大きな強みを付加できる。

もちろん、職務経歴書に記載するものは実際に売っていたものを書く。ただ、実際の仕事ではどのような価値提供をしていたかを考えることで、職務経歴書の書き方は変わってくるはずだ。それが魅力ある職務経歴書を書くための第一歩になることだろう。

質問2.自分の顧客基盤の把握はできているか。

優れた営業は優良な顧客基盤を持っている

表現は極端だが、営業能力が低くても良い顧客を受け持った営業は一定売れる。優れた営業は自ら顧客基盤を作り、維持するだけでなく、拡大する力を持っている。筆者の場合は人材業界が長いが、人材業界において優良な企業を抱えるコンサルタントはほぼ成績上位に顔をだす。

今現在、顧客基盤を持っていなかったとしても問題ない。自分の顧客基盤に意識が向ているかが大事なのだ。

パレートの法則(2:8の法則)ではないが、自身の顧客基盤のうち、どういう層のお客様が主要顧客でなのか把握することが重要だ。顧客基盤の把握をしっかりとしていると、人事や面接官もあなたを魅力的に感じてくれることだろう。

質問3.自分とトップセールスの差はなんだろう。

この問いを自分に投げかけることで、自分の足らない点を明確にできる。

製品知識の差なのか、商談前の事前準備の差なのか、行動量の問題なのか、ターゲティングの問題なのか。差が生まれている理由はなんだろう。

差が見えてくると、それをカバーするためのアプローチをとることができる。真似られるポイントも見えてくる。職務経歴書でも足らない点を意識して書くことができる。

仮に、今の職場で弱みを克服するためのアプローチができていなくても問題ない。できる営業と自分の差分が見えているだけで成長の伸びしろが見えてくる。職務経歴書の作成の過程で、自分の成長の伸びしろを見つけていってもらえればと思う。

質問4.契約までの売るプロセスと契約後のフォロー、どちらを大事にしているか。

できる営業は、「これ」しかやらない』という書籍によると、優れた営業は契約後のフォローを大事にしているという特徴がある。

そこで、契約後のフォローがどの程度できているか自分に問いかけてみてほしい。契約後のフォローの経験があればそれを記載してもいいだろう。職務経歴書が「売切型の営業」から「伴走型の営業」ができる人に見えてくる

実際、カスタマーサクセスは契約後のフォローを非常に大事にする。契約後のフォローをしっかりすることで、顧客の離散を防ぎ、その後のアップセルやクロスセルも期待できる

契約後のフォローに意識を傾けるだけで職務経歴書の印象はガラリと変わるだろう。

質問5.この先どういうキャリアを歩みたいか。

営業のキャリアにおいて、今後どのような道を歩みたいのかを考えてみてほしい。営業に限らず、高い実績を出す人は自分の未来のキャリアのイメージをある程度思い描いている人が多い。

とはいえ、どのようなキャリアを歩みたいか考えてもイメージが付かない人もいるだろう。その場合は、自分がスペシャリスト志向なのかマネジメント志向なのか考えてみよう。営業としてバリバリ稼いでいきたいのか、マネジメントをしながら組織の成長も見ていきたいのか。

目指したい姿が見えてくると、現在から未来に対する線ができ上がる。今できることと、できないことの差分も見えてくる。成長の余白が見えてくる。

職務経歴書に無理やり歩みたいキャリアを記載する必要はない。ただ、自分の中で明確に将来のイメージを持つことで、職務経歴書の見栄えも変わるし、面接のパフォーマンスも明確に変わってくることだろう。

職務経歴書に書くべきポイント

営業の職務経歴書に書くべき5つの項目

職務経歴書を作成する際に、営業職ならでは5つのポイントをしっかりと押さえることが重要である。以下の要素を盛り込むことで、営業成績が普通でも魅力的な職務経歴書を作成することができる。

尚、書く順番は気にしなくて大丈夫だ。

誰に(顧客)

まず、対象とする顧客層について記載しよう。

営業活動の外せない要素のひとつにターゲティングがある。営業の選考においては、人事や面接官も求職者がどういう層にアプローチしてきたかをチェックする。

顧客層の記載がしっかりしていると、同じ顧客層をターゲットとしている会社から関心を持って貰いやすい。逆にその記載がなければ、活かせる経験があったとしても気付いてもらえず機会損失となってしまう。

<BtoB営業の場合の参考例>
・クライアントの業界
・クライアントの社数
・クライアントの規模(エンタープライズ、SMB)
・主な商談相手(課長クラス、経営者など)

<BtoC営業の場合の参考例>
・人数、エリア
・属性(富裕、一般家庭、親、主婦、学生等)
・収入層
・職業(医師、美容師、会社員等)

何を売っていたのか(商材)

次に、扱っていた商材について具体的に書こう。どのような製品やサービスを取り扱っていたかを示すことで、採用担当者にあなたの経験の幅を理解してもらえる。

おすすめは商材の単価を記載することだ。それだけで、人事や面接官はどういった製品で顧客がどういった層なのか想像できるからだ。

<不動産営業(個人)の場合>
悪い例:住宅用不動産
良い例:平均価格2,000~3,000万円のセミオーダー型の注文住宅
想像できること:住宅価格はそこまで高くはないが、セミオーダー型なのでこだわりを持っている顧客が多そう。そのため、提案力が高そう。

<Web制作会社の場合>
悪い例:クライアントHPの制作受注
良い例:単価500万円程度の中小企業向けのHPおよびLP
想像できること:HPの制作にしてはやや単価は高いため、クライアントは一定規模の企業の可能性が高そう。そのため、業界が変わっても法人営業として通用する経験値を持っていそう。

どういう営業手法で

顧客にどのような営業手法でアプローチしてきたかもしっかりと記載しよう。

例えば、「コールドコール」「メールアプローチ」「訪問営業」「ソリューション営業」など、どのような手法で成果を上げたかを具体的に説明することが効果的である。

企業としては同じ営業アプローチをしてきた候補者がいれば、評価は高くなる。どのような営業手法があるかは下部の「さまざまな営業手法」を参照してほしい。

どのような実績を出したか

実績はできるだけ数値を詳細に記載しよう。

その際、比較できる数値が盛り込めればベストだ。社内での順位でもよし、業界平均との比較でもよい。例えば、不動産であれば年間〇〇棟売れれば成績優秀と言われる中で、〇〇棟販売したといった感じで書けるとわかりやすい。チームで数値を追いかけている場合は、チーム内での実績のシェアなどの記載をしよう。

もちろん、営業成績以外で挙げた実績があればそれを記載しても大丈夫だ。

<実績の参考>
・受注件数(契約件数)
・受注率や解約率の低減
・売上高
・予算(目標)達成率
・アポイント件数
・1日当たりのテレアポ、ポスティング件数
・新しい製品の売れ筋の発見
・販売 / 顧客単価の向上 等

どのような工夫を行い成果をなしえたか

営業活動の「実績に紐づけて」どのような工夫を行った記載しよう

成果を出すには因果がある。なぜ成果を出せたのか、成果を出すためにどのような工夫を行ったのか説明できると、実績に説得力が出る。そして、次の職場でも活躍できそうだという安心感を与えることができる。

例えば、下記のようなイメージだと分かりやすいだろう。実績は受注件数で1位を取ったことで、それに対する工夫したポイントが書かれている。

【実績】
・2024年7月~9月に〇〇件の受注を行い、社内1位の受注件数を達成した。

【工夫したポイント】
過去の販売データを見直した結果、Aの商品購入者が後日にB商品を購入していることが分かった。A商品とB商品は組み合わせることで、より価値が高くなるという仮説を立てることができた。そこで、A商品の提案時にB商品をセットで提案し、その際に2商品の組み合わせのメリットを訴求したところ、好評を得て社内で1位の受注を獲得することができた。

さまざまな営業手法

営業手法に関しては下記を参考に記載してほしい。

営業用の自己PRの参考例(切り口)

最後に、自己PRについても触れておこう。

いざ書こうとすると何を書いていいか分からないと言う人も多い。下記参考例は自己PRを書くための「切り口」なので、これは良いなというのがあれば、それを自分の職務経歴書にうまく取り入れて書いてみてほしい。


以上で、「営業成績が平均の人のための職務経歴書の作り方。」の内容は終わりとなる。

営業成績が平均だったしても、職務経歴書の書き方次第で、あなたの強みや能力を効果的にアピールすることができる。無理やりより良く見せるために書き上げる必要はない。普段の仕事を丹念に振り返って、丁寧に作成するだけで職務経歴書は輝きを得ることだろう。

自信を持って、自分の価値を伝える職務経歴書を作成しよう。

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